キーワード #資金調達 #採用 #役割分担 #マネジメント #職場環境
特定非営利活動法人太宰府障害者団体協議会は2008年に、身体・知的・精神の障がいの当事者から構成される団体が一緒になり立ち上げられました。一口に「障がい」といっても、それぞれの特性によりできること/できないことが違います。3つの障がいで分けるのではなく一緒になることで、得意なことを活かした役割分担や協力関係がとれることが強みです。
活動内容は、地域活動支援センターの運営と相談対応、コンポスト講座や資源回収などの環境活動、地域での多世代スポーツ交流、福祉避難所設置の呼びかけや避難訓練等の障がい者の防災対策など多岐に渡りますが、特に太宰府市役所地下の売店事業を運営していることで、年間500万円程度の売り上げがあります。利益が出る事業ではないですが、接客トレーニングの貴重な経験の場になっています。
売店では3名のサポートスタッフが日替わりで働いています。採用の際に大切にしていることをお尋ねしたところ、「障がいへの理解」と「協調性」という答えが返ってきました。前者は知識だけでは十分ではないため、家族や友人など身近に障がい者がいる方を優先しているということ、後者は短時間勤務の希望や急なシフト変更等を自らお願いできるような関係をつくれる方がよいとのことでした。
利用者とスタッフ、利用者同士でも、人間同士なので合う・合わないはあります。性格や相性によって作業グループのメンバーを決めたりもするそうです。また、事務所に付随する作業所には部屋を二つ用意しており、時々気持ちが昂ったり落ち込んだりする時には、別室に移動できるようにし、落ち着く時間を確保する工夫を行っているということでした。また、相談室や休憩室も用意し体調や精神状態に応じて利用できるようにしてあります。
自団体にとって重要な価値観や働くメンバーの特性、暮らしの都合などを共有し明確にしておくことで、働きやすい職場になっています。
取材協力/太宰府市NPO・ボランティア支援センターうめさろん 榊 香織 様
文責 相談員/永田 賢介