キーワード #シニア活躍 #地域活動 #役割分担 #マネジメント
NPO法人小さな家処々は、春日市を拠点に、高齢者のための居場所づくり等を行っている団体です。介護保険制度からこぼれてしまうニーズに応えるため、一軒家に集って食事や会話等を楽しむ「みんなの居場所」や、買い物や掃除などの生活の困りごとをお手伝いする「暮らしのサポート」といった自主事業を立ち上げ、今年で法人設立8年目を迎えます。
運営の鍵になっているのは、人との繋がりや助け合い。例えば賛助会員には、団体の一員であるという思いを込めて会員証を配り、年4回の会報で活動内容を報告しています。一昨年の総会で社員(正会員)から、「会報に会費の振込用紙を同封すると良いのでは」「ブログの更新はこまめに」といった助言を受けたこともあったそうです。理事は現在6名。毎月の理事会で積極的に意見を出すとともに、イベントにも自発的に参加しているとのこと。“単に会費を支払う”“名ばかり所属する”のではなく、会員や理事も積極的に役割を引き受け、活動を作り上げている姿が伺えました。
会計については、帳簿に日々記録し、週に約2回の頻度で会計ソフトに入力。翌月初めに月締めを行い、売上等の実績を予算比・前月比・前年比で確認するとともに、年間の収支等の見通しを立てています。また、背景となる現場や利用者の状況等とともに、毎月の理事会にて報告しています。こうしたルーティンの基礎が設立時から現在まで変わらずコツコツと継承されている点が印象的でした。
2021年には、より様々なニーズに応えるため居宅介護支援事業を開始しました。他方で、事業を拡大すると、それに伴って事務の手間も増えるため、これ以上行政の事業を増やさないそうです。何よりも自分たちで協力し合って生活するための活動であることを心掛けているとのこと。
“離れて暮らす利用者のご家族にも安心してもらえるように”と、事業内容だけでなく会報・会計といった事務も手を抜かない。その姿勢が、地域や周囲の信頼を得ているのだと感じました。
文責 相談員/鳥居亜佑美