キーワード #ボランティア #モチベーション #コミュニティ #情報発信
NPO法人好きっちゃ北九州は、住民が自分のまちに誇りを持てるコミュニティづくりを目指して2008年に設立された団体です(NPO法人認証は2017年)。北九州市を拠点に、子どもたちがまちを探検しながら地域の魅力を発見する「地域子ども交流事業」のほか、防災についてゲーム形式で楽しく学べる「あそぼうさい」など、地域の課題に関する教育活動も行っています。
2022年度は延べ4,012名を対象に、61回のイベントを開催しましたが、全員ボランティアで運営しています。中でも大学生が多くを占め、直近のイベントでは約30名のゲストに対して約20名のボランティアが参加するとのこと。主な連絡手段であるLINEのグループには、学生を中心に63人ものメンバーが登録しています。
代表の入門さんは、学生に対して、一人の人として“横並び”で接することを大切にしていると言います。具体的には、まず全員の顔と名前を覚え、名前で呼びます。全員に名札を渡し、それを見ながら覚えていくのだそうです。名札は持ち帰ってもらうことで、“また参加してね”というメッセージにもなります。
もう一つの工夫は、役割分担などの細かい指示は敢えてせず、見守ること。“指示されたから”ではなく“自分で選択した”という感覚を持ってもらうことで、満足感も高くなるそうです。また、終了後には良かった点を具体的にフィードバックしています。こうした工夫によって繰り返し参加してくれる学生も多く、今年度のボランティア参加者は延べ400人を超えています。
NPO法人好きっちゃ北九州は、2024年2月に認定NPO法人を取得。認定に必要な寄付を募るにあたって、過去にイベントを一緒に開催した人や、SNSで応援してくれている人などに個別に依頼をしたところ、「声を掛けてもらえて嬉しかった」と、むしろ喜ばれたそうです。また、御礼・報告の意味を込めて、約900日間毎朝欠かさずブログで活動の様子等を発信しています。発信は、内部のメンバーに対して、企画の背景やノウハウが伝えられるという効果もあります。
“好きっちゃ”と言える地域づくりは、まず目の前にいる関係者を尊重し、“横並び”で協働する関係づくりから出発するのだと感じました。
文責 相談員/鳥居亜佑美